
で定年ですが、何もしない中で何かボランティアをやりたいというのが多いですよ。この前、松下電器をやめたのも、何もしていませんが、何かやりたいと言っているんですね。なのにやることがなかなかない。
そういう人は、地域では野鳥の会で活動していたり、園芸をやっていたり、そば打ちがうまかったり、何か特技は持っているわけで、あるいは大変な読書家であったり、私の友人なんかは文章を書くのが好きで、教えるのもうまい。そういうのが、ボランティアをやりたがっている日本のボランティアはどうしても、富士ゼロックスの磯部さんなんかもそうでしたが、すぐ老人ホームに行って、おむつを洗うという話になっちゃうんですね。
こういう社会福祉型のボランティアは日本には余り必要ないと思っているんですよ。そうじゃなくて、今、日本社会に一番適したボランティアは、生涯学習型というのですかね、自分が長い間経験して蓄積したものをだれかに提供するという、そういう形ですね。それがもっと頻繁にやれるようになったらいいなと思うんですね。
アメリカの話になって恐縮なんですが、PBSと一緒に仕事をやっていて、PBSというのはパブリック・ブロードキャスティング・システムですから、日本でいえばNHKみたいな公共放送ですが、収入はスポンサーから入るんだけれども、いつもお金に困っているんですね、ニューヨークのPBSに行ったとき、受付をやっているのはみんなボランティアでした。おばさんですよね。地域の人がいい放送を支えようとして、本当に60、70のおばあさんが受付をやっているわけですよ。ちゃんとプロデューサーのところに通してくれるわけですね。日本でも東大病院の受付にボランティアの人が入りましたが、青年の家なんかも、受付業務があるのかどうかわかりませんが、おばさんが来て優しく案内してくれるボランティアでいいと思うんですね。そんな格好の人材を外から自由に入れかえできる。
ちょっと時間がなくなったので、はしょりまして、最後に、青年の家が縦割りのややこしいことがあって、公立とか国立とかあると思うんですけれども、もう少し一体感ができないものかと思いますね。先ほどのボランティアあるいは先ほどの専門的な人、そういう人をプールというか、一括して何かうまく運用できるようなシステムが青年の家全体でできないものか。
それからもう1つは、個々の青年の家では物すごくいろいろおやりになっていると思うんですが、全体としての青年の家のイメージが、まだ一般に浸透していないと思うんですね。これだけ時間、年数がたっているのに浸透していない。批判する人もいますが、いざ行ってみるとよかった、安かった、となって帰ってくるわけで、もう少し青年の家全体で広報というかPRしてもいいのではないですか。
「るるぶ」というJTBから出している旅の本がありますね。このごろ公共の宿特集なんていうのもあります。きょうそれを見ておこうと思って本屋に行ったんですけれども、なくて見てこられなかった。公共の宿の中に青年の家は入っていないんじゃないかと思うんですがね。ああいう「るるぶ」に青年の家特集というのがあってもいいんじゃないか。青年の家がずらっと北から南まで、公立であろうが国立であろうが、町立、村立、県立を問わず全部網羅されている網羅されていて、一目で情報がぱっとわかって、そこから自分が選んで、しかも申し込み方法もさっとできるという格好で利用するただし、青年の家は、こういうこととこういうことだけは必ず守らなければいかん、ということはきちんと書いて、全体でアピールしていくという、こういうのをもう少し…。実際はおやりになっているのかもしれませんが、私どものところに届いてこないものですから。そういうことをおやりになった方がいいのではないかと思いますね。
最後に、僕自身がマスコミにいまして、さっきの話じゃないですが、現場でおやりになっている場合は、あんたは簡単に言うけれども、いろいろ大変なんだと。例えば事故が起きたときには、管理、管理って、管理の押しつけはいかんとかなんとか言いながら、いざ事故が起きたときは管理責任を問うとか・管理がどうなっているかというふうな話になるそうなると、日ごろからある程度口うるさく、口やかましく管理をしていかないとだめなんだというふうな、なかなか表に出てこないつぶやきという
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